椎名林檎さんの名曲「丸の内サディスティック」。
その独特な歌詞には、ギターやアンプなど音楽好きなら思わず反応してしまうワードがちりばめられています。
さらに、BLANKEY JET CITYの浅井健一(ベンジー)へのラブレターとも言われるこの曲には、椎名林檎さんらしい遊び心や深いメッセージも。
この記事では、丸の内サディスティックの歌詞に登場する用語や背景をひとつずつ解説しながら、その魅力を分かりやすくご紹介します。
椎名林檎さんの丸の内サディスティックの歌詞の意味
それでは丸の内サディスティックの実際の歌詞を見ながら、意味を解説していきます。
リッケン620とは|東京・お茶の水との関係
リッケン620頂戴 19万も持って居ない 御茶の水
丸の内サディスティック・椎名林檎
リッケン620とは、リッケンバッカーの620という種類のギターのことを指します。
つまり、リッケンバッカーの620が欲しいけど、19万円も持っていないよ!!
という意味ですね。
ちなみに東京・お茶の水は楽器街(楽器屋さんなど音楽系のお店が多い街)として有名なので、ここで登場したのでしょう。
マーシャルとは|ギターのアンプ
マーシャルの匂いで飛んじゃって大変さ
丸の内サディスティック・椎名林檎
マーシャルとは、ギターのアンプとして有名です。
ラット一つを商売道具とは|ギターのエフェクター
ラット1つを商売道具にしているさ
丸の内サディスティック・椎名林檎
ラットとは、ギターのエフェクターであるRAT(ラット)のことを指します。
それを商売道具にしているので、この曲の主人公は音楽で仕事をしていると予想できます。
「ベンジーが肺にうつる」「トリップする」の意味
そしたらベンジーが肺に映ってトリップ
丸の内サディスティック・椎名林檎
ベンジーとは、BLANKEY JET CITYのメンバーである浅井健一さんの愛称です。
丸の内サディスティックは一曲を通して、椎名林檎さんからベンジーへのラブレターとされているので、ベンジーが胸をドキドキさせるという意味合いもあるでしょう。
また、トリップというのはスピーカーやアンプが壊れてしまうことも意味します。
マーシャルの匂いで飛んじゃって大変さ
丸の内サディスティック・椎名林檎
この部分と合わせると、この曲の主人公は毎夜アンプが壊れるほどの練習をしているとも取れるでしょう。
将来僧に成って結婚して欲しい|独占欲の表現とカート・コバーン
将来僧に成って結婚して欲しい
丸の内サディスティック・椎名林檎
この部分は諸説あり、僧という煩悩を振り払った存在、結婚を約束しない存在になって私だけを見てほしいという愛情と独占欲の表れとも読み取れます。
英語の歌詞で「So i’m…」という部分が「将来僧に…」と聞こえたためという説も。
また椎名林檎さんはニルヴァーナのカート・コバーンから大きな影響を受けています。
椎名林檎さんの「ギブス」という曲にもカート・コバーンが出てきますね。
僧は仏教であり、カートがキリスト教徒から仏教徒へと転身したこと、またカートが躁鬱病であったことから「躁」と「僧」をかけているという説もありました。
ピザ屋の彼女になってみたい|BLANKEY JET CITYのピンクの若いブタという曲
BLANKEY JET CITYのピンクの若いブタという曲に「ピザ屋の彼女」が出てきます。
丸の内サディスティックに出てくる「ピザ屋の彼女」は、この曲から引用されています。
ベンジーあたしをグレッチで殴(ぶ)って|愛用のギターで私を殴ってほしい
そしたらベンジー、あたしをグレッチで殴(ぶ)って
丸の内サディスティック・椎名林檎
ベンジーがBLANKEY JET CITYのメンバーである浅井健一さんの愛称ということは解説しましたが、グレッチはベンジーの愛用ギターです。
つまり、愛用しているギターで私のことを殴ってほしいという丸の内「サディスティック」らしさも表現されているということになります。
青噛んで熟って頂戴|まだ青い私を大人にしてほしい
青噛んで熟(い)って頂戴 終電で帰るってば 池袋
丸の内サディスティック・椎名林檎
ここまでの歌詞の意味を考えると「まだ青い(若い)私を大人にしてほしい」という意味にとれますね。
東京事変Verと椎名林檎Verの違い
ソロバージョン(椎名林檎Ver)とバンド・東京事変Verでは、アレンジや歌詞、雰囲気にいくつか違いがあります。
- オリジナルは1999年発売のアルバム『無罪モラトリアム』に収録
- ジャズやロックの要素が混ざった独特のサウンドで、ギターやピアノが印象的
- 日本語のみで構成されており、ギターやアンプ、楽器街など音楽好きにはたまらないワードが散りばめられている
- ベンジー(浅井健一さん)へのラブレター的な要素が強い
- 椎名林檎さんの個性的な歌声と、少し退廃的な雰囲気が特徴
- EXPO Ver(エクポバージョン)と呼ばれている
- 東京事変としてライブや『東京事変 Live Tour 2005 Dynamite!』などで披露
- バンドメンバーによる再アレンジで、よりグルーヴィーでダイナミックなサウンドに
- 英語詞が冒頭に追加されることもあり、原曲よりも洗練された印象
- 英語詞は「So I’m…」から始まり、原曲の世界観を英語で表現
- 東京事変らしいアレンジで、椎名林檎さんのソロとは違った新鮮さがある
まとめ
椎名林檎さんの「丸の内サディスティック」は、音楽用語やギター、アンプなどのワードが散りばめられ、BLANKEY JET CITYの浅井健一(ベンジー)へのラブレターとも言われる名曲です。
歌詞には遊び心や深いメッセージが込められており、若さや独占欲、音楽への情熱が表現されています。
歌詞の意味を考えながら聞いてみるのも良さそうですね。
参考になると嬉しいです。