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A L L – I N – O N E
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「来世かなんかで一緒になる?」
今日は会う前から決めてた。
もう今日で会わないって。
「急にどうした?」
何もわからないよね。
気づかないよね。
今日で最後だなんて一言も言ってないんだから。
多分、私の笑顔は諦めたような笑顔だったと思う。
「いや、一緒になるとか考えてないと思ったからさ。」
君は何も言わなかった。
いつもそう。
肝心な時にうつむく癖も。
何考えてるかわからないとこも。
全部、全部。
好きだった。
いや、大好きだ。
でも君は好きだなんて一言も言ってくれなかったし。
君の気持ちは知らない。
好きとか愛してるとか。
音に出して、声に乗せて言ってよ。
言ってよなんて私、伝えたこともないけど。
でも、言ってほしいって伝えて言ってくれても意味がないじゃない。
「まあ、時間はあるし。来世で待っててあげるよ。」
伝えなかった。
私の命が残り少ないことなんて。
私達には言葉なんて必要なかったから。
知らない。
もっと話せばよかったのかなとか、何度も考えたけれど。
わからない。
「死ぬ予定かなんかあんの。」
「そんなものないよ。100歳こえるんじゃない。…生命線長いし。」
嘘だよ。今日で本当に最後。
次に君から「会いたい。」とLINEが来ても。
返せない。私の機械に届いても。
私には届かない。
「お前、指細いよな。」
「急だね?まあ…なんでかわかんないけど、腕と指は華奢なんだよね〜。」
「そうだな。」
言葉がずいぶんと足りない人だなってずっと思ってたんだけど。
他の人ともこうして恋人のような関係を持っていることだけは、よく知ってた。
私は玄関で靴紐を結んだ。
「じゃあ…ね?」
「うん。」
ドアを開けたら、太陽が眩しかった。
目元に手をかざす。
君が指先まで見てるとは思わなかった。
嬉しかった。
ーーーー
「指輪、合うかな。次会う時は渡せるだろうか。」